連珠級位者のひとりごと

連珠(=五目並べ競技版)やってます。

連珠世界'24年3月号へのアンサー

連珠世界'24年3月号に自分の棋譜を取り上げて講評をいただきました。
私が負けた一局であり、対局相手の攻めに着目したものではありますが、
講評いただけたことは新鮮で、たいへんうれしいものでした。

せっかくの貴重な機会なのでそれを受けてのふり返りをしようと思います。

 

終局図

 

まずは講評にあった「最後の投了は勘違い?」の答えから。

白32の後、Aで四を作ることを起点に考えていて、
四を防ぐBに、ないはずの白が「あるもの」と思い込んでしまっていました。
それで四三のタネが2か所できていると勘違いして投了、というのが実際のところ。

 

黄色と緑のマーカー部分が四三の素



勝負が決まってみると恥ずかしい限りですが、途中まで「もしかして勝てるかも!?」と思っていました(黒25のあたり)。
下辺で黒が充実しているので、白は防いでくると予想していましたが、
自分にとって白26は意表を突かれた手。

 

白26まで

 

それでも右上のあたりで四、三を作りつつ石をつなげ、下にいい形で持っていけそうに思っていました。
が、そこへ「感動的な継続」と講評にもあった白30。
黒が四を作るとことごとく邪魔されてしまうことに気づきます。
この状況を作るための白26だったのでしょうね。

ここで勝てるかもの気持ちがボキッと折れました。
白32での投了は確かに勘違いではありますが、粘る気持ちがなくなっていたのが大きいと思います。

改めて自分で検討すると白32以降、トビ四の連続で四三をつぶせたんですね。
その後も悪くない形に見えます。
(実戦で出せないことにはしかたありませんが…)

 

検討図



反省点ばかり述べたものの、ボロ負けだったらこの一局が取り上げられてはないでしょうし、
「黒の粘りも正確で」と書いていただけたのは、サービスかもと思いつつ、うれしいものでした。
それを糧に、いつかは自分が勝った一局を取り上げてもらえるようになりたいです。

言葉に出会う

「石の声を聞く」

 

X(旧Twitter)でフォローしている方のポストで見かけたこの言葉。

たいへんしっくり来て、肚に落ちたので勢いのままこのエントリーを書いている。

 

連珠のことを知って約3年、主にやっているのは五目クエストで、

2級に上がってから1年半くらい足踏みしていたが、昨年末にふいに1級に上がれた。

なかなか突破できなかったレート1600をだいたい保てている。

人様に自慢できるほどの腕ではないけれど、上達した実感はある。

 

わくわく連珠大会、五目クエストオフライン大会、1月の東京オープンに参加し、

実際に対面して対局したことで、よい影響になったのはまちがいないと思う。

ひとつ大きかったのは、顔がわかっている相手との対局では

「これを見逃してくれたら勝てる…」なんて甘い考えは通用しないこと。

先に相手の手をつぶしておくか、最後まで詰められる手を打たないといけない。

 

とはいえ、毎回実行できるわけでもなく。

そんな折の負けた一局が以下。

黒が自分。16まで

A、B、Cで三、三、四三が作れることを発見。

左上の白、6、12、16と10、14、16のふたつの剣先は見えていたけれど、

止めれば問題ないと思い込み、白の攻める手が尽きたところで勝てると判断して、

17をAに。

終局図

結局、攻めが続き、最後は36のミセ手を見逃して手が緩んだと勘違いし、

ずっと温めていたところにほいほいと三を作ったが、お相手の四三の方が早くて負け。

自分がよくやる負けのパターンではある。

この一局がなぜか心の中でくすぶっていたところに、冒頭の言葉である。

 

「石の声を聞く」

 

こちらが三、三、四三が作れることを見つけて以降、それで安心してしまったのだろう、

相手の三を止める際にどちらを止めるかをたいして検討もせずに、

安易な方を止めてしまっていたように思う(21とか27とか31とか)。

改めて検討すると、結局は17が失着で、以降勝ちの目はなさそう。

ただもっと粘ってもよかった。

 

6、12、16/10、14、16のふたつの剣先が吠える声が聞こえていなかった。

21、27、31のか細い声が聞こえていなかった。

それが心に引っかかっていたために、いつまでもこの一局が自分のなかで消化できていなかったのだろう。

 

石の声、私に聞こえるかどうかわからないが、少なくとも耳を澄ませてみよう。